COLUMN / コラム一覧SNS内製化

福井のSNS運用は誰に任せるか|社員・専属採用・代行・内製化支援・広告を、費用と会社に残るもので比べる

Film倶楽部 編集部 2026.09.25

「うちもそろそろSNSで採用や集客をしないと」と思いながら、誰にやらせるかで止まっている福井の会社は少なくありません。

若い社員に任せるのか、担当者を雇うのか、業者に頼むのか。

「福井 SNS運用」で調べても、上位に並ぶのは求人サイトと「おすすめの代行会社◯選」の記事です。業者の名前は分かっても、自社にどのやり方が合うのかまでは分かりません。

この記事では、SNS運用の5つのやり方を、お金のかかり方、動き出すまでの時間、やめたあと会社に何が残るかで比べます。読み終えるころには、自社の状況ならどれから始めればよいかが決まります。

福井でSNS運用を考える前に知っておきたい、人と情報の流れ

求人を出して待つだけでは、若い人に届きにくい

福井労働局の発表では、2026年7月の福井県の有効求人倍率は1.69倍でした(季節調整値。働く場所の都道府県で数えた値)。仕事を探している人1人に対して、1.69件の求人があるという意味です。

全国は1.18倍です。福井の会社は、全国平均より4割ほど多い求人の中で人を探していることになります。この数字は山梨県と並んで全国でいちばん高く、福井労働局は、全国で最も高い水準が100か月続いているとしています。

人の流れも見ておきます。2025年に福井県から県外へ出た日本人は、県外から入ってきた人より2,721人多くなりました(総務省「住民基本台帳人口移動報告」)。前の年の2,018人から、700人ほど増えています。

年齢別では、20〜24歳だけで1,493人です。転出超過の半分以上を、この5歳分の年代が占めています。15〜29歳まで広げると、8割を超えます。進学や就職で県外に出た若い人が、そのまま戻ってこない流れです。

求人票を見るのは、主にいま仕事を探している人です。

県外で暮らしている福井出身の若い人や、いまの職場に不満はないけれど何となく先を考えている人が、求人票を開く機会はあまりありません。そうした人たちも、SNSはふだんから開いています。

県外で暮らしている人も、福井で働くことを考えたときに調べる言葉には「福井」が入ります。県内の人と、県外にいる福井出身の人、どちらにも届く入口がSNSです。

若い人が職場を選ぶときには、給料や休日の数に加えて、どんな上司がいて、職場の雰囲気がどうかもよく見ています。求人票に「アットホームな職場です」と書いても伝わらない部分を、動画なら先輩と後輩のやりとりとして見せられます。

若い世代が使っているSNS

総務省情報通信政策研究所の調査(2025年12月に13〜79歳の1,800人に聞いたもの)から、主なSNSの年代別の利用率を抜き出しました。

サービス10代20代30代40代50代60代
LINE96.4%97.7%97.9%96.6%95.6%92.0%
YouTube95.0%96.3%94.0%91.6%84.9%72.6%
Instagram69.3%82.6%76.6%67.1%54.4%36.1%
TikTok67.9%61.5%44.7%42.6%32.2%21.2%

出典:総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月公表)。10代は13〜19歳。

採用で届けたい20代では、Instagramを8割以上の人が使っています。

TikTokは10代のアプリと思われがちですが、30代で44.7%、40代で42.6%が使っています。中途採用で狙う30代・40代にも、半分近くには届く計算です。

LINEはどの年代も9割を超え、YouTubeも60代を除いて8割以上が使っています。LINEは、SNSで興味を持ってくれた人と、その後にやりとりを続ける場所として使いやすいサービスです。

地方の会社は、まず県内で探している人に見つけてもらうことを狙うと、成果に近づきます。例えばラーメン店なら、「福井」「ラーメン」のハッシュタグで、店をまだ決めていない人に見つけてもらいます。採用でも、福井で仕事や職場の様子を調べている人に届けば十分です。

もう1つ、地方の会社におすすめしたいのが、1本の縦長の動画を複数のSNSに出すことです。同じ動画をTikTok、Instagram、YouTubeのショート動画、LINE、Xなどに載せれば、作る手間は1本分のまま、見てもらえる場所が増えます。Googleで「居酒屋 福井」のように調べたときに、検索結果にショート動画の枠が出ることもあります。最初からSNSごとに作り分けず、1本を出して、反応のよかった場所に力を入れていきます。

SNS運用のやり方は5つ|費用・動き出すまでの時間・会社に残るものを比べる

SNS運用のやり方は、大きく分けると次の5つです。

やり方お金のかかり方動き出すまでやめたあと会社に残るもの向いている会社
1 社員に任せる追加の支払いはない。担当者の勤務時間を使う担当者が慣れるまで時間がかかるアカウントと、担当者の経験まず試してみたい会社
2 専属の担当者を採用する給与と会社負担の保険料が毎月の固定費になる採用できてから担当者が辞めなければ運用の力長く続ける予算を組める会社
3 運用代行に任せる毎月の委託料早い契約の内容次第社内に動ける人がいない会社
4 内製化支援を受けて社内で回す支援の費用と、社員の勤務時間社員が覚えるまでの期間が要る運用できる社員と、自社のアカウント担当者を1人決められる会社
5 SNS広告出稿出した金額の分だけすぐ止めると表示も止まる期間の決まった募集や催しがある会社

どれか1つを選ぶ必要はありません。

実際には「日々の投稿は社内で回し、ショートドラマ(スマホの縦長の画面で見る、数分ほどの短いドラマ)のような手間のかかる動画だけ外に頼む」「普段は社内で運用し、採用の時期だけ広告を使う」といった組み合わせもできます。

ただ、組み合わせを考えるにも、1つずつの向き不向きを知っておく必要があります。ここから順に見ていきます。

やり方1 社員に任せる

いちばん始めやすいのが、社内の誰かに担当してもらう方法です。

新しい支払いは発生しません。アカウントを作るのも投稿するのも無料なので、今日から始められます。

うまくいかない形も決まっています。

気をつけたいのが、「若いから、SNSに慣れているだろう」という任せ方です。自分のスマホで動画を見慣れていることと、会社のアカウントで採用や売上につなげることは別の技術だからです。

よく聞くのが、「もう投稿するネタがない」という相談です。本業の合間に回していると、ネタが尽きた週から投稿が空きます。反応も見えないまま、やがて更新が止まります。

ネタ切れを防ぐには、見てほしい相手の悩みを先に100個ほど書き出しておきます。悩みは段階ごとに出てくるので、書き出しておけば題材は尽きません。採用なら「入社前に不安なこと」「入社1年目に困ること」「3年目に考えること」と段階を分けるだけで、投稿の題材はかなり増えます。

費用がかからないように見えて、担当者の勤務時間は使っています。止まったまま時間だけが過ぎれば、その分の人件費を使ったのと同じです。

社員に任せるなら、次の3つを先に決めておくと止まりにくくなります。

社員任せの運用でよく見かけるのが、再生はされても会社の目的につながらない動画です。

典型は、女性社員に流行りのダンスを踊らせる動画や、社員の休憩時間の様子を切り取った動画です。再生数は回りやすいのですが、見ているのは求職者でもお客様でもない人たちになりがちです。100万回再生されても、応募や来店は増えません。

伸びた動画を見るときは、再生数と一緒に「見てほしい相手が見ているか」を確かめます。コメントの中身や、プロフィールのリンクが押された回数が手がかりになります。

やり方2 SNSの専属担当者を採用する

本気で続けるなら、専属の担当者を置くのが筋です。

片手間では、本気でSNSに取り組んでいる会社に勝てません。ただ、福井で専属の社員を1人置くなら、給与が年450万円ほど、保険料などの会社負担も含めると年間500万円ほどを見込んでおく必要があります。

この「500万円」が大げさかどうか、公的な数字で確かめてみます。

厚生労働省の職業情報提供サイトで、ウェブマーケティングの職業ページを福井県で表示すると、対応する職業分類の年収は513.4万円です(令和7年の賃金統計をもとにした値。平均年齢は40.9歳)。この職業分類はSNS運用だけの統計ではありませんが、目安にはなります。同じページに出ている福井県の求人の月額賃金は、22.3万〜30.3万円でした。

ここでは、求人の月額賃金の中ほどにあたる月給25万円の人を、賞与なしで雇う場合を計算します。統計の年収より低い、控えめな前提です。

会社は給与のほかに、社会保険料などの会社負担分を払います。2026年度の福井県で、40歳未満の人を雇う場合の会社負担は次のとおりです。

会社が払うもの会社負担の率月給25万円の場合
給与―250,000円
健康保険料(協会けんぽ福井支部)4.855%12,138円
子ども・子育て支援金0.115%288円
厚生年金保険料9.15%22,875円
雇用保険料0.85%2,125円
子ども・子育て拠出金0.36%900円
合計(1か月)15.33%288,326円
合計(12か月)―約346万円

月給に料率を掛けた概算です。実際の保険料は標準報酬月額という区分で決まるので、少し変わります。40歳以上の人を雇うと介護保険料の会社負担0.81%が加わり、業種ごとに率が違う労災保険料もかかります。

賞与を出せば、その分と賞与にかかる保険料が上乗せされます。求人広告の費用や、パソコンや撮影機材の費用も別です。

反対に、統計どおり年収513.4万円(平均40.9歳)の人を雇うと、40歳以上の会社負担16.14%を足して約596万円になります。控えめな前提の約346万円と、統計どおりの約596万円のあいだに、「年間500万円ほど」という目安は入っています。

お金を用意できても、人が見つかるとは限りません。

同じ職業ページには、この職業分類に限った有効求人倍率も出ています(令和7年度ハローワークの求人統計)。全国では0.47倍で、求人より仕事を探す人の方が多い職業です。ところが福井県では2.82倍で、求人に対して働き手がかなり足りていません。求人サイトで「SNS運用」と検索しても、福井県内だけで数百件の求人が出てきます(2026年9月時点)。同じ人材を、県内の多くの会社が同時に探しています。

専属の担当者を置いた会社でも、見落としやすい点が2つあります。

1つ目は、採用した人がSNSのプロとは限らないことです。

未経験の人を採れば、まず勉強から始まります。経験者を採ろうとすれば、県外の都市部の会社とも同じ人材を取り合うことになります。

2つ目は、1人にすべてが集まることです。

企画の考え方も、アカウントのパスワードも、どの投稿がなぜ伸びたかも、担当者の頭の中にだけある状態になりがちです。その人が辞めた日に、運用も止まります。

専属の担当者を置くなら、社内に手順を残すことと、アカウントの管理者を会社にしておくことを最初から決めておきます(管理者の決め方は後の章で書きます)。

やり方3 運用代行に任せる

社内に動ける人がいないなら、運用代行に頼むのがいちばん早い方法です。

企画、台本、撮影、編集、投稿、数字の分析まで、プロが一通り引き受けます。社内の人は撮影に協力したり、内容を確認したりするだけで済みます。

費用は、どこまで任せるかで大きく変わります。

福井のある代行会社が公開している料金表(2026年9月時点・税込)を例に、任せる範囲と月額の関係を見てみます。

任せる内容月額
Instagramだけ、週1回の投稿を代行66,000円
短い動画を月4本、簡単な編集で追加99,000円から
TikTokを追加55,000円から
撮影を依頼(半日)1回55,000円から

Instagramだけの投稿なら、月数万円から始められます。ところが、基本の投稿代行に動画とTikTokを加えると、合わせて月22万円からです。撮影を頼めば、さらに上がります。企画から台本、撮影、編集まで丸ごと任せる場合は、年間360万〜500万円ほどが目安です。月にすると30万〜42万円ほどです。

見積もりを比べるときは、金額より先に「月に何本、どの媒体に、誰が撮影して、台本は誰が書くか」をそろえて比べます。範囲をそろえずに金額だけ比べると、安く見える方が実は写真の投稿だけだった、ということが起きます。

弱点は、契約が終わったあとにあります。

企画の立て方や数字の読み方は、代行会社の中に残ります。社内には、投稿された動画と、フォロワーが残るだけということも珍しくありません。その動画やフォロワーさえ、契約の書き方によっては自由に使えなくなります。

代行を頼む前に、契約書で確かめること

契約書を交わす前に、次の4つは必ず確かめておきます。

アカウントの名義

アカウントを誰の名前、誰のメールアドレスで作るか。代行会社がアカウントを新しく作る場合、会社のメールアドレスで登録してもらいます。

作った動画や写真の権利

著作権法では、動画や写真の著作権は、作った人に生まれるのが原則です。社員が仕事で作ったものは、条件を満たせば会社が著作者になります。外部の代行会社が作ったものは、契約で取り決めない限り代行会社側に残ります。契約が終わったあとに、その動画を自社のホームページや採用説明会で使えるかどうかは、契約書の書き方で決まります。

契約の期間と、途中でやめるとき

最低契約期間、途中で解約するときの条件、解約したあとに過去の投稿をどう扱うかを確かめます。

毎月の報告の中身

再生数やフォロワー数だけでなく、問い合わせや応募にどうつながったかまで報告してもらえるかを確かめます。

個人のクリエイターに頼むときは、発注する側に義務がある

撮影や編集を、個人で活動しているクリエイター(フリーランス)に頼むこともあります。この場合は、2024年11月に施行されたフリーランス法(正式名は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)によって、発注する会社の側に義務がかかります。

条件を、書面かメールなどで伝える

頼む内容、報酬の額、支払日などを、書面か、電子メール・SNSのメッセージ・チャットで伝えます。口頭だけでは足りません。この義務は、発注する側に従業員がいない場合でもかかります。

報酬は、納品から60日以内に払う

従業員を雇っている会社が発注する場合は、納品を受けた日から60日以内の、できるだけ早い日を支払日に決めます。

1か月以上頼むなら、してはいけないことが7つある

納品物の受け取りを拒むこと、あとから報酬を減らすこと、返品すること、相場より大幅に安い報酬を押しつけること、物の購入やサービスの利用を強いること、金銭などを不当に出させること、内容を不当に変えさせたりやり直させたりすることの7つです。

SNSの動画は「イメージと違う」が起きやすい仕事です。何本、何秒の動画を、何回まで直してもらえるかを最初に書いて渡しておけば、やり直しをめぐる揉め事を避けやすくなります。

代行会社を選ぶときに見る5つの点

おすすめのランキングを見る代わりに、次の5つの点で見分けてください。現場で運用をしている側から見た、代行会社の選び方です。

1つ目 再生数から逃げていないか

「バズっても意味がない、大事なのは成果だ」と言う業者が増えています。再生されて知ってもらうことの上にしか、成果は乗りません。再生されることは成果の前提で、再生されただけで成果が出るわけでもありません。どちらか片方だけでは足りないのです。業者の実力は、直近の動画がきちんと再生されているかで見てください。フォロワー数は、長く運用していれば誰でもそれなりに増えるので、今の実力を測る物差しになりにくいからです。

2つ目 自社のアカウントを運用しているか

流行りは日々変わります。お客様のアカウントで新しいやり方を試すわけにはいかないので、プロは自社のアカウントで試し、うまくいったやり方だけをお客様に使います。

3つ目 一から自分たちで考えた動画を作れるか

お客様のアカウントで、すでに伸びている動画の型を使うのは問題ありません。確実に数字を出すための正しいやり方です。気をつけたいのは、自社のアカウントでも型の真似しかしていない業者です。流行りの型が通用しなくなったとき、次の手を自分たちで生み出せません。

4つ目 台本づくりまで入ってくれるか

「台本は会社の思いなので、御社で書いてください」と言われたら、何のために外注するのかを考え直します。人の気持ちを動かす台本には、書く技術が要ります。

5つ目 約束する数字がきれいすぎないか

商談の席で「◯件の問い合わせにつながります」と言い切る業者には注意が必要です。どれくらい再生されるかは、プロならかなりの精度で読めます。ただ、そこから問い合わせや応募にどれだけ進むかは、商品や状況で大きく変わります。「ここまでは約束できる、ここからは一緒に改善する」と正直に分けて話す業者のほうが、契約したあとの食い違いが起きにくくなります。

Film倶楽部に相談いただく場合も、この5つで見ていただいて構いません。

やり方4 内製化支援を受けて、社内で回す

内製化支援は、実際に手を動かすのは社員で、企画の考え方や撮り方、数字の見方をプロに教わりながら運用する方法です。

代行と社員任せの間にあるやり方で、両方の弱点を埋めることを狙っています。

社員任せの運用が止まるのは、何を投稿すればよいか、なぜ伸びないのかを聞ける相手がいないときです。内製化支援は、そこをプロに聞ける状態をつくります。

代行との違いは、契約が終わったときに社内に運用できる社員が残ることです。

誰が何をするかで比べると、違いがはっきりします。

作業運用代行内製化支援
何を発信するかの方針代行会社が提案し、会社が決める会社が決め、プロが意見を出す
企画と台本代行会社社員。プロに相談や添削を頼める
撮影と編集代行会社社員
投稿代行会社社員
数字の分析と改善代行会社が報告する社員が見て、プロに相談する
契約が終わったあと動画とアカウントが残る(契約しだい)動画とアカウントに加えて、運用できる社員が残る

内製化支援の担当者は、新しく雇う専属の人でなくても構いません。いまいる社員を担当に決め、SNSに使う時間を業務として確保します。兼務のまま、片手間にしないやり方です。

内製化支援が向いている会社

次のような会社に向いています。

反対に、担当者の時間をまったく取れない会社には向きません。

もう1つ、正直に書いておくと、内製化は最初の数か月、数字が伸びにくいやり方です。社員が作る最初の動画は、プロが作る動画と比べれば見劣りしますし、その間も社員の時間は使っています。社員任せと違うのは、伸びない理由をプロに聞いて、次の投稿を直せることです。最初は伸びなくて当たり前です。

地方の会社には、いきなり数十万円の代行を頼むより、まず自社のスタッフで回す内製化から始める2段階をおすすめしています。社内でやってみて、どこが自社では難しいかが分かってから、その部分だけを外に頼めば、外注費の使いみちもはっきりします。

「SNSのスクールは怪しい?」と感じたときの見分け方

会社でSNSを学べる場を探すと、個人向けの「SNS運用講座」や副業スクールの広告もたくさん目に入ります。怪しいと感じるのには理由があります。

国民生活センターによると、SNS運用講座などの「ビジネス講座」に関する相談は、2020年度の1,169件から、2025年度には3,551件に増えました(2026年9月16日発表)。5年で約3倍です。

同じ発表で紹介されている相談事例には、「事業者どうしの契約だから解約できない」と言われたケースもあります。

訪問販売などのクーリング・オフを定めた特定商取引法には、営業のために結んだ契約を対象から外す規定があります。消費者庁は、名義が法人でも一律には外れず、実態で判断すると説明しています。それでも、会社が業務のために申し込んだ契約は、個人の申し込みより守られにくいと考えておくほうが安全です。

会社で申し込む前に、次の点を確かめます。

個人が副業で稼ぐための講座と、会社が採用や集客のために運用を覚える内製化支援とでは、学ぶ目的が別のものです。

Film倶楽部の内製化支援「Buzz倶楽部」でできること

Film倶楽部では、内製化支援を「Buzz倶楽部」という名前で提供しています。内容は次の3つです。

動画教材で企画の立て方や撮り方の基本を学び、月1回の勉強会でSNSの最近の変化を追い、日々の「これでいいのか」はグループチャットで聞く、という使い方を想定しています。担当者が分からないところで手を止めず、毎週の投稿を続けられるようにするための仕組みです。

月額制で、費用や進め方はお問い合わせのときにご説明しています。

やり方5 SNS広告を出す

SNS広告は、お金を払ってInstagramやTikTokのおすすめの枠に投稿を表示してもらう方法です。

広告の強みは早さです。出したその日から、地域や年齢を絞った相手に届きます。会社説明会の告知や、期間限定の募集のように、日付の決まったものと相性が良い方法です。

弱みもはっきりしています。

広告は、お金を払うのをやめた瞬間に何も残らない「掛け捨て」です。広告を止めれば、表示も止まります。

それに対して、広告を使わずに投稿した動画は、アカウントに残ります。後からフォローした人が過去の動画をさかのぼって見ることもあります。

体力のある大企業のように広告を出し続けるのは、地方の中小企業には重い負担です。広告を使うなら、社内で作った投稿のうち反応の良かったものを選び、募集の時期だけ広告で後押しする、という使い方なら、無駄になりにくくなります。

会社のSNSで守るルール

会社のアカウントには、会社としての決まりがあります。採用に使う場合も集客に使う場合も、次の4つは担当者と上司の両方が知っておく必要があります。

求人の条件は、正確に、最新の内容で

SNSで求人の情報を出すときにかかわるのが、職業安定法です。2022年10月の改正で、会社が自分で出す求人情報にも、的確に表示する義務が定められました(第5条の4)。

禁止されているのは、うその表示と、誤解を生じさせる表示です。あわせて、情報を正確で最新の内容に保つことも求められています。法律と省令は、インターネットを使って出す求人情報を対象にしているので、SNSの投稿もここに入ると考えておくのが安全です。

SNSで起きやすいのは、次の2つです。

厚生労働省は求人企業向けのリーフレットで、募集をやめたり条件を変えたりしたら、自社の採用ウェブサイトなどを速やかに更新するよう求めています。SNSのプロフィールや固定した投稿も、同じ扱いで見直します。

頼んで書いてもらった投稿は、広告と分かるように

商品やサービスの宣伝を、知り合いやインフルエンサーに頼んで投稿してもらう場合は、景品表示法の「ステルスマーケティング規制」がかかわります。2023年10月から、会社が頼んだ投稿なのに会社の広告だと分からない表示は、違反になりました。

規制の対象になるのは、投稿を頼んだ会社の側です。消費者庁は、インフルエンサーは規制の対象外だと説明しています。

頼んで投稿してもらうときは、「広告」「宣伝」などの言葉で、会社の広告だと見る人がはっきり分かるようにします。消費者庁は、言葉を入れていても全体として分かりにくければ認められないとしています。

違反すると、消費者庁から措置命令などの処分を受け、会社名が公表されます。消費者庁の措置命令は、2024年4月から2025年3月までの1年間で5件ありました。

流行りの曲を使う前に

個人のアカウントで流行っている曲を、会社のアカウントでも同じように使えるとは限りません。

TikTokは、ビジネスアカウントで使える音源を「商用音楽ライブラリ」に限っていて、一般の音楽ライブラリは商用に使えないとしています。Instagramも、音楽ライブラリは個人的で非商用の利用を前提にしていて、一部のビジネスアカウントでは使えないと説明しています。

会社のアカウントで曲を使うときは、商用に使ってよいと示された音源から選ぶ。このルールを、担当者だけでなく、動画に関わる社員全員で共有しておきます。

社員に出てもらうときは、同意を取り、辞めたあとの扱いも決める

採用の動画には、社員に出てもらうことが多くなります。そのとき、顔や声が映る動画をどこに、いつまで載せるかについて、本人の同意を取っておきます。

口頭で「いいよ」と言ってもらうだけでは足りません。次の4点を書面で残しておくと、後で話が食い違いにくくなります。

退職したあとの扱いを決めていないと、辞めた社員から「動画を消してほしい」と言われたときに揉めやすくなります。本人が出たがっていない様子なら、無理に出演をお願いしないことも大切です。

誰がやる場合も、アカウントの管理者は会社にしておく

5つのどのやり方を選んでも、アカウントの管理者は会社にしておきます。

InstagramとTikTokには、どちらも会社向けの管理機能があります。

Instagramでは、提携している代理店などをパートナーとして追加し、コンテンツの作成やメッセージへの返信といった一部の操作だけを許可できます。TikTokの「ビジネスセンター」でも、メンバーには業務に必要なアクセス権だけを許可できます。

この機能を使えば、代行会社や担当者にパスワードを教えなくても、必要な作業をしてもらえます。管理者の権限は会社が持ったままで、関係が終わったら権限を外すだけで済みます。

あわせて、次の3つを会社で押さえておきます。

代行会社や担当者との関係が終わった日に、会社が自分のアカウントに入れない。こういう事態は、始める前の設定で防げます。

成果を何で測るかは、始める前に決めておく

どのやり方を選んでも、途中で何度か「このやり方でよいか」を見直す場面が来ます。そのときの判断材料を、始める前に決めておきます。

再生数とフォロワー数は、いちばん目に入る数字です。ただ、それだけを見ていると判断を誤ります。

以前、ある飲食店のSNSを運用したときの話です。SNSを見て来店したお客様は実際に多かったのに、SNS限定のクーポンも、フォロー画面を見せると割引になる仕組みも、ほとんど使われませんでした。理由は、店員さんにスマホの画面を見せるのが恥ずかしいから、というものでした。成果は出ていたのに、お店の側からは見えていなかったのです。

お客様や応募者に何かをしてもらわないと数えられない仕組みは、数字が実際より小さく出ます。相手の手間がほとんどかからない測り方を用意します。

採用が目的の場合

応募フォームと面接で「当社を何で知りましたか」を選択式で聞き、選択肢にInstagramとTikTokを入れておきます。

集客が目的の場合

問い合わせフォームや予約の電話で、同じ質問をします。プロフィールに載せたリンクが何回押されたかは、各SNSの分析画面で確かめられます。

この数字を月ごとに記録しておけば、「応募のうち何人がSNSで知ったか」の変化を見ながら判断できます。ただし、覚えてもらうまでには年単位の時間がかかります。数か月で答えを出そうとしないことも大切です。代行会社に頼む場合は、この数字を共有して、毎月の報告と並べて見られるようにします。

会社の状況別・向いているやり方

ここまでの内容を、会社の状況ごとにまとめます。

会社の状況向いているやり方気をつけること
採用が目的で、現場の雰囲気を見せたい。社内に担当者を1人決められる4 内製化支援最初の数か月は数字が伸びにくい。続ける前提で始める
社内に動ける人がいない。早く形にしたい3 運用代行アカウントの名義と、動画の権利を契約書で確かめる
まずは費用をかけずに試したい1 社員に任せる業務として時間を取る。止まりそうなら早めに相談できる先を持つ
長く本気で続ける。人件費を組める2 専属の担当者を採用未経験なら教わる仕組みも用意する。手順を1人に抱えさせない
日付の決まった募集や催しがある5 SNS広告反応の良かった投稿を選んで後押しに使う

迷ったときは、次の2つを自分に聞いてみてください。

SNSの担当者を1人決められるか

決められるなら、内製化支援で社内に力を残すやり方を最初に検討する価値があります。人件費を組めるなら、専属の担当者を雇う道もあります。決められないなら、代行に頼むのが現実的です。

やめたとき、会社に何を残したいか

アカウントと、運用できる社員を残したいなら、内製化支援か専属の担当者です。短い期間で結果を出すことを優先するなら、代行か広告です。

段階を踏む場合の順番の例も挙げておきます。

最初の段階

内製化支援を受けながら、担当者が企画、撮影、投稿を覚える。自社のアカウントに、社員が作った動画がたまっていく。

次の段階

続けるうちに、自社だけでは難しい部分が分かってくる。ショートドラマのように脚本や撮影に手間のかかる動画だけを、外に頼む。

採用の時期

普段の投稿で反応の良かった動画を選び、説明会や募集の期間だけ広告で後押しする。

この順番なら、制作を外に頼む場面が「自社ではできないこと」に限られます。

動画の形としてのショートドラマ

最後に、5つのどのやり方でも使える動画の形として、Film倶楽部が得意としている「ショートドラマ」について書いておきます。

ショートドラマでは、会社の商品や職場の様子を、登場人物の物語の一場面として見せます。

2026年8月29日には、福井県あわら市のあわら温泉の旅館を舞台にしたショートドラマを公開しました。認知症が進む祖母と、その娘、孫の3世代を描いた全2話の作品です。旅館の設備やサービスは説明せず、家族の思い出の場所として物語の中に登場させました。

公開から14日で、Instagramだけで100万回再生を超えました。コメント欄には「行ってみたい」という声も寄せられています(Film倶楽部のプレスリリース、2026年9月17日)。旅館を知ってもらう入口として、物語が働いた例です。

採用のためのショートドラマなら、「新入社員と、怖そうに見えて実は優しいベテラン職人の日常」のように、求人票では伝わらない職場の空気を、見る人に疑似体験してもらえます。

ショートドラマでは、福井という地方にあることが不利になりにくいのも利点です。都会のきれいなオフィスにはない福井の風景や、人の温かさ、仕事の泥くささは、物語にすると若い人の目に魅力的に映るからです。

ショートドラマだけでアカウントを埋める必要もありません。広く見てもらうための動画と、あえて広げずに目的につなげるための動画の両方が要ります。後者を全体の4割ほど混ぜるのが目安です。ショートドラマで会社を知ってもらい、仕事の中身や応募の方法は、社員が作る普段の投稿で伝える、という組み合わせです。

ショートドラマは、脚本、撮影、出演者の手配まで手間がかかる動画です。社内だけで作るのは難しいので、ショートドラマはFilm倶楽部が作り、日々の投稿は社員が回す、という分け方もできます。

Film倶楽部は自社でも、オリジナルのショートドラマのアカウント”ボクモノ”「僕らの人生物語」を運用しています。

よくある質問

福井でSNS運用代行に頼むと、月にいくらかかりますか?

任せる範囲によって大きく変わります。福井のある代行会社の公開料金表(2026年9月時点・税込)では、Instagramだけの週1回の投稿代行が月66,000円でした。動画、TikTok、撮影を加えるほど金額は上がります。企画から撮影、編集まで丸ごと任せる場合は、年間360万〜500万円ほどが目安です。見積もりを比べるときは、月の本数、使う媒体、撮影と台本の担当をそろえてから比べます。

福井でSNSの担当者を1人雇うと、会社の負担は年間いくらになりますか?

月給25万円で40歳未満の人を雇う場合、2026年度の福井県では、健康保険・厚生年金・雇用保険などの会社負担が給与の約15.3%かかります。1か月あたり約28.8万円、12か月で約346万円です。賞与、40歳以上の人の介護保険料、労災保険料、求人広告の費用は含んでいません。年収450万円の人なら、会社負担を足して519万円ほどになります。

SNS運用の講座やスクールは怪しいのでしょうか?会社で申し込むときはどこを見ればよいですか?

トラブルの相談は増えています。国民生活センターによると、SNS運用講座などのビジネス講座についての相談は2025年度に3,551件で、2020年度の約3倍でした。会社で申し込むなら、教える人が今も自分のアカウントで再生数を出しているか、支払いが月ごとで途中でやめられるか、結果を約束していないか、扱っているのが会社のSNS運用か、を確かめます。事業者として結んだ契約は、個人の契約よりクーリング・オフなどで守られにくい場合があります。

SNS運用を代行会社に頼んだら、アカウントや動画は誰のものになりますか?

アカウントは、登録した名義とメールアドレスで決まります。会社の名義と会社のメールアドレスで登録し、代行会社には管理画面から権限だけを渡す形にすれば、会社のものとして手元に残ります。動画や写真の著作権は、契約で取り決めない限り、作った代行会社側に残るのが原則です。契約が終わったあとも自社で使いたいなら、契約書に権利の扱いを書いておきます。

採用のためのSNS動画に社員を出すとき、同意書は必要ですか?

口頭の了承だけで済ませず、書面で同意を取っておくことをおすすめします。何のために使うか、どこに載せるか、いつまで載せるか、退職したあとにどうするか、の4点を書いておくと、辞めた社員から削除を求められたときにも対応が決まっています。

福井の中小企業がSNS運用を始めるなら、InstagramとTikTokのどちらがよいですか?

届けたい年代で選びます。総務省情報通信政策研究所の令和7年度の調査では、20代の利用率はInstagramが82.6%、TikTokが61.5%でした。30代ではInstagram76.6%に対してTikTok44.7%、40代では67.1%に対して42.6%です。どの年代でもInstagramの方が多く使われていますが、TikTokも30代・40代の4割以上に届きます。縦長の動画を1本作れば両方に載せられるので、動画で始めるなら両方に出して、反応を見て力の入れ方を決める方法もあります。

福井県の会社がSNS運用に使える補助金はありますか?

国の小規模事業者持続化補助金(第20回公募)では、広報費の対象になる経費の例に「SNS広告、運用代行費」が挙げられています。補助率は3分の2、補助金の上限は50万円です。ただし対象は販路開拓のための経費で、求人広告は対象外です。広報費だけでの申請はできず、広報費に使える補助金は30万円(税込)までです。受付は2026年11月5日から12月15日までの予定です。

福井県の「ふくいデジタル導入チャレンジ補助金」は、県のカタログに載ったデジタルツールの導入が対象です。対象経費はシステム費やクラウドの使用料などで、SNS運用の外注や動画制作の費用は挙げていません。申請を考えるときは、商工会議所や商工会で、自社の計画が対象になるかを確かめてください。

会社のSNS運用で成果が出るまで、どれくらいの期間がかかりますか?

何か月で成果が出るかを言い切れる、根拠のあるデータはありません。たまたま100万回再生の動画が数本出ても、明日から売上や採用が大きく変わることはまれです。覚えてもらうには、年単位の運用が要ります。どれくらい再生されるかはプロならかなりの精度で読めますが、そこから問い合わせや応募にどれだけ進むかは、商品や会社によって違います。

どのやり方が合うか分からない段階でも、相談できます

Film倶楽部は福井の会社で、ショートドラマの制作、SNSの運用を丸ごと任せていただく形、社内で運用する力をつける内製化支援「Buzz倶楽部」の3つを手がけています。

「代行と内製化のどちらが合うか分からない」「社員に任せてみたけれど止まってしまった」という段階でのご相談も受けています。

NEXT PROJECT

次の一歩を、一緒に。

お問い合わせLET’S TALK