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インスタで採用する|募集の表示と応募者情報の扱いを、投稿を作る前に決める

Film倶楽部 編集部 2026.10.05

採用でインスタを使おうという話は、たいてい「何を投稿するか」から始まります。社員インタビュー、職場の様子、1日の流れ。どれも実際に使われている題材ですし、撮るものが見つからない会社はそれほど多くありません。

ただ、投稿の中身を決める前に片づけておくことがあります。労働者を募集する行為には法律で決まった手続きがあり、インスタの投稿はその手続きを済ませる方法に入っていません。

投稿とプロフィールに何を書き、どこから先を採用ページに任せるか。この線引きを先に決めます。インスタで採用してはいけないという話ではありません。線を引かずに始めると、せっかく作った投稿を下げることになります。

この記事では、次の順で扱います。

会社名を挙げた事例の紹介はしません。福井で中途採用や現場職の採用に取り組む、数十人規模の会社を念頭に書いています。新卒採用で学生に向けて発信する話とは、使う機能も書くことも変わります。

インスタの投稿だけでは、募集の手続きが終わりません

明示することが、省令で9つ決まっている

労働者を募集する人には、労働条件を明示する義務があります。職業安定法第5条の3第1項です。

> 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

>

> (職業安定法第5条の3第1項)

「労働者の募集を行う者」に、採用する会社が入ります。ハローワークや紹介会社を通さず自社で募集するときも、この義務はかかります。

同条第4項が、明示する事項と方法を厚生労働省令に委ねていて、受けているのが職業安定法施行規則第4条の2第3項です。9つの事項が並んでいます。

明示する事項省令の号
従事すべき業務の内容(変更の範囲を含む)第1号
労働契約の期間第2号
試みの使用期間第2号の2
有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間や更新回数に上限があれば、その上限を含む)第2号の3
就業の場所(変更の範囲を含む)第3号
始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日第4号
賃金の額(臨時に支払われる賃金、賞与などを除く)第5号
健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用第6号
労働者を雇用しようとする者の氏名または名称第7号
就業の場所における受動喫煙を防止するための措置第9号

第2号の3は有期労働契約のときだけ、第8号(派遣労働者として雇用しようとする旨)は派遣のときだけです。

この9つを見ると、インスタの1枚の投稿に収まる量ではないことが分かります。就業の場所の変更の範囲、所定労働時間を超える労働の有無、受動喫煙を防止するための措置。文字で書くしかない項目が並んでいます。

方法は「書面の交付」から始まる

量の問題だけなら、長いキャプションを書けば済みます。ところが方法も決まっています。同じ省令の第4条の2第4項です。

> 一 書面の交付の方法

>

> 二 次のいずれかの方法によることを書面被交付者(明示事項を前号の方法により明示する場合において、書面の交付を受けるべき者をいう。)が希望した場合における当該方法

>

>  イ ファクシミリを利用してする送信の方法

>

>  ロ 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法第二条第一号に規定する電気通信をいう。)の送信の方法(当該書面被交付者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)

>

> (職業安定法施行規則第4条の2第4項)

原則は書面を渡すことで、ファクシミリや電子メール等が使えるのは相手が希望したときに限られ、しかも電子メール等については、受け取った側が記録を出力して書面を作れるものでなければならないという条件まで付いています。

インスタの各機能を、この条文に当てる

機能明示の方法として使えるか条文に当てた理由
フィード投稿使えない書面の交付ではない。受信する者を特定して情報を伝達する電気通信にも当たらない
リール使えない同じ
ストーリーズ使えない同じ。24時間で消えるため記録も残らない
プロフィール欄使えない同じ
DMこの記事では使えるものとして扱わない相手が希望した場合の「電子メール等」に当たるかは、受け取った側が記録を出力して書面を作れるかで決まる。この点について公的な見解を確認できなかった

DMについては、はっきり書けるところまでで止めます。確認できていないものを「大丈夫です」と書くわけにはいきません。少なくとも、相手が希望していないうちにDMで条件を送っても、方法の要件は満たしません。

投稿とプロフィールは、採用ページへの入口に使う

ここまでを裏返すと、インスタで何をすればよいかが出てきます。

置く場所役割
フィード投稿・リール会社と仕事を知ってもらう。ここで条件を明示しようとしない
プロフィール欄何の会社か、どこにあるか、どこを見ればよいかを書く
プロフィールのリンク採用ページか募集要項のページに向ける
ストーリーズハイライト募集中の職種をまとめて、プロフィールから1タップで届く位置に置く
採用ページ・応募フォーム9つの明示事項を書く。応募を受ける

投稿のキャプションの終わりに「募集要項はプロフィールのリンクから」と書く形が、いちばん手間がかかりません。採用ページを持っていない会社でも、求人サイトの掲載ページや自社サイトの1ページで足ります。

出した募集の情報には、下げるまでの決まりがあります

募集の情報は、出したあとも手がかかります。職業安定法第5条の4第2項です。

> 労働者の募集を行う者及び募集受託者は、この法律に基づく業務に関して広告等により労働者の募集に関する情報その他厚生労働省令で定める情報を提供するときは、正確かつ最新の内容に保たなければならない。

>

> (職業安定法第5条の4第2項)

「正確かつ最新の内容に保たなければならない」が何を指すかは、指針に書かれています。職業安定法第48条に基づく「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針」(平成11年労働省告示第141号)の第四の三です。

> (一) 労働者の募集を終了した場合又は労働者の募集の内容を変更した場合には、当該募集に関する情報の提供を速やかに終了し、又は当該募集に関する情報を速やかに変更するとともに、当該情報の提供を依頼した募集情報等提供事業を行う者に対して当該情報の提供を終了するよう依頼し、又は当該情報の内容を変更するよう依頼すること。

>

> (二) 労働者の募集に関する情報を提供するに当たっては、当該情報の時点を明らかにすること。

この2つが、インスタと噛み合いません。

紙や求人サイトは勝手に止まる。インスタは止まらない

求人誌は次の号が出れば入れ替わります。求人サイトは掲載期間が切れれば表示が止まります。インスタの投稿は、こちらが下げるまで残ります。

半年前に「製造スタッフ募集」と投稿して、その職種はもう埋まっているのに、プロフィールのグリッドにはその投稿が並び続け、検索から来た人が最初に目にする位置に残っています。指針の(一)が求めているのは、この状態を速やかに終わらせることです。

機能募集が終わったあとの状態やること
フィード投稿プロフィールのグリッドに残り続ける削除する。残すなら、キャプションの先頭に募集を終えた旨と日付を足す
リールリールのタブとグリッドに残り続ける同じ
ストーリーズ24時間で自動的に消える消えてよいものはここに出す
ストーリーズハイライトプロフィールの上部に固定で残る募集が終わったらハイライトから外す
プロフィール欄書き換えるまで残る募集中かどうかを書くなら、終わったときに消す手順を決めておく

ストーリーズとハイライトの関係は、Instagramヘルプセンターがこう説明しています。

> ストーリーズは、消えた後でもプロフィールにハイライトとして追加・表示することができます。

>

> (Instagramヘルプセンター「ストーリーズハイライトにストーリーズを追加する」)

24時間で消える機能と、消えないようにする機能が組み合わせになっています。募集の告知をハイライトに入れるときは、外す日も一緒に決めておいてください。

「いつの募集か」を書く

指針の(二)は、情報の時点を明らかにすることを求めています。インスタの投稿には投稿日が付きますが、アプリの表示は「3日前」「5週前」といった相対表示になる画面があります。読む側が日付をすぐ確定できるとは限りません。

キャプションに「2026年10月時点の募集です」と書き、ハイライトの名前に月を入れる。これで、投稿日の表示に頼らずに時点が伝わります。

月に1回、下げる日を決める

やることは、2つです。投稿とハイライトを一覧で見て、終わった募集を下げる。採用ページの募集要項と、投稿に書いてあることが食い違っていないかを見る。

月末にまとめてやる会社が多いですが、日付はどこでもかまいません。決めておかないと、採用が決まった高揚のなかで投稿を下げる作業だけが残り、そのまま忘れます。

投稿の文で引っかかるところ

指針の第四の二は、誤解を生じさせる表示を4つ挙げています。

> (一) 関係会社を有する者が労働者の募集を行う場合、労働者を雇用する予定の者を明確にし、当該関係会社と混同されることのないよう表示しなければならないこと。

>

> (二) 労働者の募集と、請負契約による受注者の募集が混同されることのないよう表示しなければならないこと。

>

> (三) 賃金等(賃金形態、基本給、定額的に支払われる手当、通勤手当、昇給、固定残業代等に関する事項をいう。)について、実際の賃金等よりも高額であるかのように表示してはならないこと。

>

> (四) 職種又は業種について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いてはならないこと。

4つのうち、インスタでいちばん起きやすいのが(四)です。写真が主役の場所なので、職種名を雰囲気に合わせたくなります。

指針の項目インスタで起きやすい形
職種名の乖離(二の(四))実際は製造ラインでの組立作業なのに「ものづくりクリエイター」と書く。配送業務を「移動オフィスのプロ」と書く
賃金を高く見せる(二の(三))歩合と残業代を足した最大額だけを大きく出す。固定残業代の時間数と金額を書かない
雇用する会社が分からない(二の(一))グループ共通のアカウントで募集し、どの会社の雇用になるか書いていない
募集と受注者の募集の混同(二の(二))「一緒に働く仲間を募集」と書いて、実際は業務委託の受注者を探している

(三)の固定残業代は、自社サイトの募集要項では書いていても、インスタの投稿では省かれがちです。投稿に金額を出すなら、採用ページと同じ内訳まで書く。そこまで書けないなら、投稿に金額を出さずリンク先に任せる。どちらかです。

性別で絞る書き方はできない

男女雇用機会均等法第5条です。

> 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

>

> (雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第5条)

「女性スタッフ募集」「明るい男性歓迎」は、この条文に当たります。インスタの投稿は短い文で書くため、こうした言い方が入りやすい場所です。

義務の規定と、罰則は別に数える

職業安定法の解説で「違反すると6か月以下の懲役」と書かれているものを見かけます。条文を順に見ると、そう単純ではありません。

条文性格
職業安定法第5条の3(労働条件等の明示)義務の規定。この条文自体に刑事罰の定めはない
職業安定法第5条の4(求人等に関する情報の的確な表示)義務の規定。この条文自体に刑事罰の定めはない
職業安定法第65条第9号罰則。「虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を提示して、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき」に当たる
男女雇用機会均等法第5条義務の規定

第65条の柱書は、こう定めています。

> 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。

>

> (職業安定法第65条)

第65条の各号に第5条の3と第5条の4は入っていません。罰則が直接当たるのは、第9号の「虚偽の広告」「虚偽の条件の提示」です。条文の文言は拘禁刑です。懲役と書いてある解説に当たったら、条文を確かめてください。

分けて書くのは、直す場所が変わるからです。明示が足りていないなら、採用ページに項目を足します。虚偽の広告に当たるなら、投稿の文そのものを書き換えます。やることが別になります。

応募者のインスタを見てよいのか

採用でSNSを使い始めると、逆向きの使い方が出てきます。応募者の名前やアカウントを検索して、投稿を見る。見てよいのか、見てはいけないのか。

見ること自体は、指針が適法かつ公正な手段として挙げています。制約がかかるのは、見たあとに何を取るかです。

条文は「目的を明らかにして、必要な範囲内で」

職業安定法第5条の5第1項です。

> 公共職業安定所、特定地方公共団体、職業紹介事業者及び求人者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、特定募集情報等提供事業者並びに労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者は、それぞれ、その業務に関し、求職者、労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより、当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。

>

> (職業安定法第5条の5第1項)

収集の手段について、指針の第五の一の(三)が書いています。

> 個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、本人の同意の下で本人以外の者から収集し、又は本人により公開されている個人情報を収集する等の手段であって、適法かつ公正なものによらなければならないこと。

「本人により公開されている個人情報を収集する」が、適法かつ公正な手段として並んでいます。公開アカウントの投稿を見る行為は、ここに含まれます。鍵のかかったアカウントに社員のアカウントから申請して覗く、といった形は別の話になります。

制約は、見てはいけない3つの事項にある

同じ指針の第五の一の(二)です。

> 次に掲げる個人情報を収集してはならないこと。ただし、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りでないこと。

>

> イ 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項

>

> ロ 思想及び信条

>

> ハ 労働組合への加入状況

採用面接では、この3つを聞かないよう気をつけている会社でも、インスタの投稿を見ると意図せず入ってきます。写真と文で日常を出す場所だからです。

投稿から分かってしまうこと指針の区分
支持する政党、政治的な主張への賛同ロ 思想及び信条
信仰、宗教行事への参加ロ 思想及び信条
出身地、本籍地イ 出生地・本籍
労働組合の活動への参加ハ 労働組合への加入状況
国籍、民族的な背景イ 人種・民族

面接で聞けば問題になることが、投稿を見れば分かってしまう。見る行為が手段として認められていても、そこから収集してよい範囲は変わりません。

見るなら、募集の段階で目的を書く

指針の第五の一の(一)は、目的の明示の程度まで決めています。

> 法第五条の五第一項の規定によりその業務の目的を明らかにするに当たっては、求職者等の個人情報がどのような目的で収集され、保管され、又は使用されるのか、求職者等が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に明示すること。

「採用選考のため」だけでは、SNSを見ることまで想定できるとは言いにくい。見る運用にするなら、募集要項か応募フォームの個人情報の取扱いの欄に、何を見るのかを書いておく必要があります。

もう1つ、同意の取り方にも条件があります。第五の一の(六)のロです。

> 業務の目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を収集し、保管し、又は使用することに対する同意を、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供又は労働者供給の条件としないこと。

「SNSのアカウントを教えてくれない人は選考しません」という形にはできません。

実務として決めておく4つ

決めること決め方の例
見るのか、見ないのか社内で1つに決める。採用担当の判断に任せると、応募者ごとに扱いが変わる
見るなら、何を見るのか業務に直接関わる発信(職種に関する資格や実績の投稿など)に限る
記録に残すのか残すなら収集目的の範囲内に限り、選考が終わったあとの破棄の時期を決める
判断に使わないものの扱い第五の一の(二)に当たる事柄を見てしまったとき、評価に持ち込まない手順を決める

4つめは運用でしか守れません。見た人の頭から消すことはできないので、面接の評価シートに書く項目をあらかじめ決めておき、そこから外すという形にします。

プロアカウントに切り替えるときの落とし穴

採用アカウントを作るとき、インサイトを見たいのでプロアカウントにします。ここに1つ、公式ヘルプに書かれている注意があります。

> 注: 個人用アカウントが非公開になっている場合、プロアカウントに切り替えると公開になります。アカウントを公開すると、承認待ちのすべてのフォローリクエストが自動で承認されます。

>

> (Instagramヘルプセンター「Instagramプロアカウントを設定して、ビジネスツールやクリエイターツール、管理機能にアクセスする」)

社員が個人で使っていた非公開アカウントを採用アカウントに作り替えると、過去の投稿が公開になり、承認待ちのフォローリクエストが全部通ります。

採用アカウントは新規に作ってください。同じヘルプに「1回にログインできるInstagramアカウントは10個まで」と書かれているので、担当者の端末で個人のアカウントと並べて持てます。

ビジネスとクリエイターのどちらを選ぶか

プロアカウントには2種類あります。

> ビジネスアカウントは、小売店、ローカルビジネス、ブランド、組織、サービスプロバイダーに最適です。クリエイターアカウントは、著名人、コンテンツプロデューサー、アーティスト、インフルエンサーに最適です。

>

> (同ヘルプ)

会社の採用アカウントはビジネスアカウントに当たります。切り替えのときにカテゴリを選ぶ画面が出ますが、ヘルプには「選択したカテゴリによって、ビジネスアカウントとクリエイターアカウントのどちらを設定するかが決まるわけではありません」と書かれています。カテゴリとアカウントの種類は別に選びます。

切り替える前に確認すること

確認すること理由
新規に作ったアカウントか個人アカウントの転用は、過去の投稿とフォローリクエストが公開側に出る
非公開になっていないかインサイトを見るには公開アカウントが必要
誰が管理するか退職や異動でログインできなくなる事故が起きやすい。パスワードの管理者を2人以上にする
社名での検索で見つかるかユーザーネームとプロフィールの名前に社名を入れる

インサイトで見られるものと、見られないもの

採用アカウントの効果測定の話をする記事はたくさんあります。ただ、インサイトが見られる条件まで書いたものが見当たりません。公式ヘルプには条件が3つ書かれています。

過去90日より前は見られない

> インサイトを使用すると、Instagramのアカウントやコンテンツのパフォーマンスについて詳細を把握することができます。過去90日以内の任意の期間について、投稿全体のインサイトまたは個別の投稿のインサイトを確認できます。

>

> (Instagramヘルプセンター「Instagramでアカウントとコンテンツのインサイトを見る」)

採用の活動は年単位で動くため、去年の同じ時期と比べたくなったときにはインサイトに数字が残っておらず、月に1回書き写して自社の表に移しておく手間が必要になります。90日は約3か月です。四半期ごとの比較ならぎりぎり入りますが、前年同月は入りません。

非公開に戻したときの扱いも書かれています。

> アカウントを公開した直後には、過去のインサイトを確認できないことがあります。非公開アカウントに戻すと、インサイトにはアクセスできなくなります。ただし、90日以内に公開アカウントに切り替えれば、過去のインサイトデータに再びアクセスできます。

>

> (同ヘルプ)

100件を超えないと、相手が誰か分からない

ここがいちばん効きます。

> オーディエンスの利用者層データを表示するには、プリセット期間を利用していること、およびリーチしたアカウントまたはアクションを実行したアカウントが100件を超えていることが必要になります。

>

> (同ヘルプ)

フォロワーの傾向についても、同じ趣旨の条件があります。

> 合計フォロワー: フォロワー数が100名以上の場合にフォロワー全体の傾向を確認できます。

>

> (Instagramヘルプセンター「Instagramインサイトについて」)

始めたばかりの採用アカウントでは、年齢層も地域も性別の内訳も表示されません。「20代にどれくらい届いたか」を見ようとしても、100件を超えるまで画面に出ません。

採用アカウントのフォロワーは、求人サイトの閲覧数のようには伸びません。地方の数十人規模の会社で、社員とその知り合いから始まる形だと、100という数字に届くまでに数か月かかることがあります。

最初の数か月で見る数字を変える

属性が見えない期間に何を見るか。公式の定義がある指標から選びます。

指標ヘルプの定義採用で何が分かるか
閲覧数「コンテンツが再生または表示された回数です」投稿が何回表示されたか。同じ人が複数回見た分も入る
閲覧者「画面上で少なくとも1回はコンテンツを表示したユニークアカウントの数」何人に届いたか。100件を超えると属性も見える
インタラクション「利用者がコンテンツにとったアクション(『いいね!』、コメント、保存、シェアなど)の回数」どの投稿が反応を取ったか。保存は後で見返す動きなので、仕事内容の投稿で増えやすい
アクションを実行したアカウント数「コンテンツに対してアクションを実行したユニークアカウントの数」フォロワーとフォロワー以外に分けて見られる
あなたがシェアしたコンテンツ「選択したプリセット期間または過去90日以内で指定したカスタム期間に投稿したストーリーズ、リール動画、投稿の数」投稿が止まっていないかの確認に使う

数字のなかで、採用との距離がいちばん近いのは応募の件数です。インサイトには出てきません。採用ページのアクセス解析と、応募フォームの「どこで知りましたか」の項目で取ります。インスタの数字だけを追うと、伸びているのに応募が来ない状態に気づくのが遅れます。

プロフィールとハイライトの組み立て

投稿を何本も作る前に、プロフィールを整えたほうが早く効きます。検索から来た人が最初に見る画面で、しかも作るのに撮影が要りません。

プロフィールに書く5つ

要素書くこと
名前(検索に使われる欄)社名と業種。「○○製作所|福井の金属加工」のような形
ユーザーネーム社名のローマ字。採用専用にするなら末尾に recruit を足す
自己紹介文何をしている会社か、どこにあるか、募集している職種
リンク採用ページか募集要項のページ
カテゴリプロアカウントの設定で選ぶ。プロフィールに表示される

自己紹介文に採用ページのURLを文字で書く会社がありますが、タップできません。リンクの欄に入れてください。

ハイライトは、応募までの順に並べる

ハイライトはプロフィールの上部に横並びで出ます。ここを質問の順に並べると、採用ページを見る前の疑問が片づきます。

ハイライトの名前中身
募集中(10月)いま募集している職種。終わったら外す
仕事の内容職種ごとに、1日の流れを数枚で
働く条件勤務時間、休日、通勤方法。詳しくは採用ページへ
職場設備、休憩室、作業着
応募の流れ応募から入社までの段取りと、かかる期間

ハイライトはストーリーズから作ります。ストーリーズを撮って出し、消える前にハイライトに入れる。手順はInstagramヘルプセンターの「ストーリーズハイライトにストーリーズを追加する」に出ています。

「働く条件」をハイライトに置くときは、採用ページに書いた内容と揃えてください。食い違うと、第5条の4第2項の「正確かつ最新の内容に保たなければならない」に戻ってきます。

中途と現場職の採用で、何を投稿するか

Instagramを採用に使う話は、ほとんどが新卒採用を前提にしています。学生が企業を探す場所としてのInstagram、内定者の就活情報、インターンの告知。よく例に挙がるのも、大手企業の新卒採用アカウントです。

中途採用と現場職の採用は、見る人の事情が違います。いま働きながら次を探している人、子どもの送り迎えに合う勤務時間を探している人、通勤時間を短くしたい人。知りたいことが新卒の学生と重なりません。

地方の求人倍率が、投稿の中身を変える

福井労働局が公表している「雇用失業情勢」によると、令和8年7月の有効求人倍率(就業地別・季節調整値)は1.69倍でした。全国は1.18倍です。同じ資料に、この水準が100か月連続で全国で最も高いという記載があります。

求人倍率が高い地域では、1人の求職者に複数の求人が向いています。会社の魅力を伝えて興味を持たせる段階より手前で、条件が合うかどうかで候補から落ちます。そのため、投稿で見せる順番が新卒向けとは逆になります。

働く条件を先に出し、会社の雰囲気を後に回す。条件が合う人にだけ、雰囲気の投稿が届けばよいからです。

働き方の都合が、応募の障害になっている

日本商工会議所・東京商工会議所が全国の商工会議所を通じて行った調査(2024年9月公表)では、仕事と育児の両立の課題として「人手不足のため、子育て中の社員の仕事のカバーが難しい」が44.9%で最も多くなっています。

人手が足りないから休みを取りにくく、休みを取りにくいから人が来ない。応募する側は、この状態を外から見抜こうとします。だから「アットホームな職場です」と書いても効きません。

投稿で答えられるのは、次のようなところです。

応募する側の疑問投稿で見せられること
急に休めるのかシフトの組み方、代わりを頼む手順、有給の取得状況
残業は実際どれくらいか繁忙期と閑散期の違い、終業時刻の実際
未経験で入った人がいるのか入社したときの経験と、いま任されている仕事
何を使って仕事をするのか設備、工具、システムの画面
通勤はどうするのか駐車場、最寄りのバス停、自転車置き場

投稿の型を5つに絞る

毎回ゼロから企画すると続きません。型を決めて、職種ごとに回します。

型中身向いている機能
仕事の1枚作業中の手元や設備を1枚。何をしている場面かをキャプションで説明するフィード投稿
1日の流れ出社から退社までを時刻つきで並べるリール、またはカルーセル投稿
入社した人の話前の仕事、入ってから覚えたこと、いま任されている仕事フィード投稿
設備と道具新しく入れた機械、使っている工具、作業着フィード投稿
募集の告知職種、勤務時間、募集の時点。詳細は採用ページへストーリーズ+ハイライト

「入社した人の話」は、社員が顔を出す形になります。出演の同意を文書で取り、断っても不利益がないことを先に伝えてください。退職したあとに投稿を残すかどうかも、同意の時点で決めておきます。

個人情報保護法第35条は、本人が利用の停止や消去を請求できる場面を定めていますが、請求できるのは同条第1項・第3項・第5項に当たるときに限られます。退職したら必ず消さなければならない、という形の規定ではありません。だからこそ、先に取り決めを作っておくほうが揉めません。

投稿にしないほうがよいもの

題材理由
社員の私生活本人が出したい範囲を超える。会社が集める個人情報の範囲とも関係する
飲み会、社内イベントばかり仕事の内容が伝わらない。中途で探している人の判断材料にならない
他社との比較募集の情報として誤解を生じさせる表示に近づく
数字だけの実績働く条件が分からない

自社でやるか、外に頼むか

採用アカウントは、始めるのは簡単で、続けるのが難しい部類に入ります。投稿を作る人が採用担当を兼ねていると、採用が忙しい時期に投稿が止まります。そして止まる時期は、募集をしている時期と重なります。

分けるもの自社で持つ外に頼む
何を投稿するか決める自社。仕事の内容と募集の条件は社内しか知らない—
撮影日常の1枚は社内の端末で足りる1日の流れや入社した人の話は、撮影を頼むほうが仕上がる
キャプションの文条件に関わる部分は自社で確認する下書きまで頼める
投稿する作業止まりやすい。担当を2人にする代行できる
ログインの管理自社で持つ。パスワードを渡さない方法を選ぶ—
投稿を下げる手順自社で決める。募集の終了を知るのは社内—

全部を外に出すと、募集が終わったことが伝わらず、終わった募集の投稿が残ります。投稿を下げる判断は、社内に置いてください。

よくある質問

Q. インスタの投稿に給与を書いてよいですか。

書けます。ただし、採用ページの募集要項と同じ内訳まで書いてください。指針は賃金等について「実際の賃金等よりも高額であるかのように表示してはならない」と定めていて、賃金等には固定残業代が含まれます。歩合や残業代を含んだ最大額だけを出す形は、ここに当たります。投稿に内訳を書ききれないときは、金額を出さずにリンク先へ回します。

Q. DMで応募を受け付けてよいですか。

応募の連絡をDMで受けること自体に、禁止の定めはありません。ただ、労働条件の明示はDMで済んだことにしないでください。職業安定法施行規則第4条の2第4項は、書面の交付を原則としています。DMがこの要件を満たすかどうかについて、公的な見解を確認できませんでした。確認できていないものに頼る形は避けて、採用ページか書面で明示してください。

Q. 応募者のインスタを見たことを、本人に伝える必要がありますか。

指針は、個人情報を収集する目的を「求職者等が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に明示すること」と定めています。見る運用にするなら、募集要項や応募フォームの個人情報の取扱いの欄に書いておく形になります。応募者ごとに個別に伝えるかどうかまでは、指針に書かれていません。

Q. 社員の個人アカウントで募集を発信してもらうのはどうですか。

社員が自分の判断で会社の募集を紹介すること自体は止められません。ただ、会社が依頼して発信させる形にすると、その投稿も「労働者の募集に関する情報」になります。募集が終わったときに下げる依頼まで含めて頼む必要があります。

Q. フォロワーが増えないのですが、続ける意味がありますか。

採用アカウントで見る数字は、フォロワー数ではなく閲覧者の数と応募の件数です。Instagramのインサイトは、フォロワー数が100名以上でないとフォロワー全体の傾向を表示しません。小さいアカウントではフォロワーの属性が見えないため、フォロワー数を目標にすると判断材料のない数字を追うことになります。

Q. 新卒採用と中途採用で、アカウントを分けるべきですか。

分けると投稿の量が2倍になります。数十人規模の会社では、1つのアカウントでハイライトを職種ごとに分ける形のほうが続きます。投稿が週1本を切るようになったら、分けるのはやめてください。

Q. ハッシュタグは何を付ければよいですか。

地名と職種を組み合わせたものから始めてください。「#福井求人」「#福井転職」のように、探している人が打ちそうな語です。投稿のインサイトで閲覧者の数を見比べて、残すものを決めます。数を増やすより、採用ページへのリンクをプロフィールに置いておくほうが効きます。

はじめの1か月でやること

順番を決めておきます。撮影から始めると、投稿する先が整っていないまま素材が溜まります。

1. 採用ページか募集要項のページを作る。職業安定法施行規則第4条の2第3項の9つの事項を書く

2. 採用アカウントを新規に作り、ビジネスアカウントに切り替える

3. プロフィールの名前・ユーザーネーム・自己紹介文・リンクを埋める

4. ハイライトを5つ作る。「募集中」には月を入れる

5. 投稿の型を決めて、週1本の分量で3週間分を撮る

6. 月に1回、終わった募集を下げる日を決める

1と2を先に済ませると、投稿を始めた日から応募の受け口ができています。6を決めないと、採用が決まったあとに投稿が残ります。

採用でお困りでしたら

Film倶楽部は、福井でSNSの内製化支援「Buzz倶楽部」と、SNSマーケティング、ショートドラマの制作を手がけています。

自社で縦型動画を撮れるようになりたい場合は、Buzz倶楽部で作り方を学んでいただく形もあります。

「自社の仕事で何を撮れるか」「ハイライトをどう組むか」という段階からでも、ご相談いただけます。

採用ページとインスタの役割分担をどう引くか、という整理からでも結構です。

NEXT PROJECT

次の一歩を、一緒に。

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